太田道灌_2026.1.2

「七重八重 花は咲けども山吹の 実のひとつだに なきぞ悲しき」
以前、Aさんから教養として、太田道灌の逸話に登場するこの和歌くらいは知っておいたほうがよいと助言を受け、その折にこの話を教えていただきました。
若き日の太田道灌が、鷹狩の途中で雨に遭い、山間の民家で蓑を借りようとしました。出てきた娘は蓑の代わりに、山吹の花を一枝差し出しました。意味が分からず道灌は「花が欲しいのではない」と怒り、雨の中、城へ戻ります。
後で、この話を長老にしたところ「七重八重 花は咲けども 山吹の 実のひとつだに なきぞ悲しき」という古歌を示し、山間の茅葺きの家であり、貧しく蓑(実の)ひとつ持ち合わせがないことを奥ゆかしく答えたのだと教わりました。
古歌を知らなかった道灌は、自身の無学を恥じました。その後、学問と武芸の研鑽を重ね、やがて江戸の礎を築いた戦国の名将と称されるようになったと伝えられています。
この逸話は戦前の教科書に載っていたようですが、「山吹と山吹色との関係は」「どのような花なのか」「実ができない場合、どのようにして種を増やすのか」「太田道灌が名将といわれた実績は何か」など、興味は尽きません。
ひとつひとつ調べ、知ることで得した気持ちなりました。太田道灌がそうであったように、知らなかったことに気づき学び直すことは、いつからでもできるのでしょう。山吹の歌は今の自分にも向けられているように感じます。

