3人の石切職人 2013.4.15

過ごしやすく、ハイキングに行きたくなるような快適な季節になってきました。ゴールデンウイークも近い事ですし、気分的にも何かウキウキしてくる時期でもあります。
さて、今日は後ろの白板に書きました、「3人の石切職人」の話をしたいと思います。
あるところに3人の石切職人がいて、何をしているのかと訊かれた時、3人の石切職人はそれぞれ以下のように答えました。
第1の男は「この仕事で暮らしを立てている」と答え、
第2の男は「どんな石切職人にも負けない、この国で最高の石切りの仕事をしているのだ」と答え、
第3の男は「大寺院を造っているのだ」と答えました。
話はこれだけです。この話は、第3の男のように仕事の「本質」を忘れず物事に当たれという喩え話だそうです。
「この仕事で暮らしを立てているのだよ」と答えた第1の男の場合、仕事に費やす時間は人生の相当な部分を占めるわけですから、それだけでは、何か物足りないと言いたいのだと思います。
問題は第2の男です。
「どんな石切職人にも負けない、この国で最高の石切りの仕事をしているのだ」と言った男です。
私は典型的に第2の男に属していると思っています。「なぜ第2の男じゃだめなの」というのが、この喩え話を読んだ時の私の感想です。
解説では、熟練した専門能力が重要なのは当然で、組織は最高のスキルを要求している。しかしスペシャリストは、単に石を磨いているだけでも重要なことをしていると錯覚しがちだと言うのですね。
まだ釈然としないのですが、スペシャリストや専門家よりジェネラリストを優遇したのが今の日本であると感じるのですが、それで日本は良くなったのですか?と聞きたいです。
専門家バカとかいう言葉があるように、専門家は揶揄されることがあります。
ただのジェネラリストではなく、プロのジェネラリスト、真のジェネラリストであれば全体を俯瞰し、まとめ、全体を正しい方向へ導けるかもしれません。
専門家やスペシャリストを見下し、中途半端なジェネラリストが率いてきた結果が今の日本のように感じます。
なんか過激な発言になってしまいましたが、今の私の偽らざる思いです。
物事の本質を常に念頭におき、自らの専門領域に縛られず広い視野で仕事をしろというのはわかります。
仕事が細分化している現在、共通の目標を各人が把握していないと、その効果を十分に発揮する事ができないというのも理解できます。
しかしながら、スペシャリストや専門家が、なんとなく軽く見られていると感じた寓話だったので、ついつい反論してしまいました。
寓話の教訓と、自分の考えが一致しておらず、聞いている方にとっては判りにくかったかもしれませんが、今回は「3人の石切職人」の話をしました。
以上です。
それでは、今週も張り切って一週間を過ごしましょう。