小論文作成の要点 2021.1.17

1.はじめに
資格試験合格のための小論文作成訓練は重要であり、合否をわけるポイントになります。以下に小論文作成の要点を述べます。
2.論旨明快で説得力のある文章
問題文を読まずに、解答している小論文だけを読んでも論文として成立しているように書きます。また論文技術として、論旨明快でサラッと通読5分以内を目指します。試験官は受験者が書いた回答をおそらく読み返しません。読みやすさを常に念頭におき、流れを大切に書いていきます。
ただ、いくらわかりやすい論文であっても、内容が伴っていなければなりません。そこで専門性・応用能力を持ち合わせている事を試験官にアピールする必要があります。自分の専門分野に落とし込むことを忘れなでください。
この際、いわゆるキーワードの羅列や用語の説明だけを書くのではなく、課題、問題に対し、論理的な根拠、証拠を試験官に提示し、専門家としての立場で正しく主張できる能力を文章で証明します。
3.文章の長さ
一文で3行程度の文章にとどめるよう心がけます。文字数だと、最大で100文字を越えないような範囲で、短く、短くと、心がけて書きます。
4.わかり易い論文構成
起承転結ではなく、「序論」、「本論」、「結論」の順に書きます。
「序論」とは問題に対する概略、技術的背景、最終的結論、ポイントです。序論で結論を積極的に書きます。
「本論」は受験者の考えた過程です。序論の主張に対し、根拠を次々に展開させます。つまり詳細な説明、原理、特徴です。
「結論」とは私は何々と考える、つまり所見として自分の意見を入れ、将来展望、技術ポイントをまとめます。
5.ポンチ絵や表
小論文中にポンチ絵や図があると実力があるように見えます。できれば一論文に最低一枚、図や表またはグラフを挿入すると、採点者を飽きさせません。ただし、今まで一度も書いたことのない文章や図をいきなり本番で作り上げるのは時間がかかります。つまり本番で使えるのは、自分の書いたことがある論文のフレーズや自分で書いた図です。充分に練習しておきましょう。
6.課題と問題点の違い
問題文には、「課題」と「問題点」という単語がよく出てきますが、「課題」とは、解決しなければならない高度な事項という意味で、「問題点」とはボトルネックになるものを言います。なお「課題」の箇条書きはやめておきましょう。
7.最後に
合格へのモチベーションを維持するのは容易ではありません。頑張らなくても自然に工程をこなせるシステム、習慣を作りましょう。そして最大限の準備をしましょう。マラソンは準備無しには走れません。そして合格するまでやりぬきましょう。
以上
追記
・見識があり、違和感のない視点を押さえた、専門知識の論述
・豊富な専門知識に裏付けられた応用能力
・社会性を考慮した専門的技術展望
・問題文を読み解く作業、いわゆる「腹に落とす作業」が答案作成作業前に必要
・設問に必ず回答する
・文章ではなかなか覚えられないので「箇条書き」「キーワード」で覚える
・記述・説明文では最初に概略を示してから詳細部の記述を行う
・変化球が来ても対応できるようにきちんと論文を書いて論理展開力をつける
・論文をとにかく書く
・3~5編は確実に書けるようにする
・解答論文に、独自色を出しすぎない。深読みしない。合格点にさえ届けばよい
・技術部門全体についての現状の課題を的確に認識する
・将来の課題解決の方向性について自分の意見を持つ
・それらを論理的に説明できるようにする
・他の人に正しく理解してもらえるように言葉のつながりをきちんと確保する
・誰もが納得する事実を素材にして、結果に至る道筋を整理する
・図表や資料には必ずヒントが埋まっている
・飽きるほどブラッシュアップ、音読
・口を動かすことは記憶の定着に直結する行為
・自分の論文に難癖をつける
・意識すべき読み手の対象は、技術者でない一般の人
・専門知識の内容であっても、それをわかりやすく説明できるかどうかが採点のひとつの基準