軸受 2020.7.9

1.はじめに
回転軸を支持する機械要素には大きく分けて、流体膜による「滑り軸受」と転動体を用いた「転がり軸受」がある。この2つの長所と短所を説明し、機械設計における使い分け方法を述べる。
2.滑り軸受の長所
許容荷重が大きい、高速回転に適している、騒音が小さい、構造が簡単、軸受箱が小さく小型化が可能、回転・揺動・軸方向の摺動とその複合化した動きにも対応できる。
3.滑り軸受の短所
静止摩擦が大きいので始動の抵抗が大きい、潤滑油が多く必要、高速でオイルホイップによる振動が起きやすい。
4.転がり軸受の長所
摩擦力が小さいので伝達する動力の損失が少なく始動時の抵抗が少ない、国際標準・規格が整整備されており入手が容易で互換性があり交換が容易、潤滑しやすく潤滑油の消耗も小さい、高温・低温でも利用できる。
5.転がり軸受の短所
転動体や保持器などがあるため、一般的に高速回転には不向きである、振動や騒音が生じやすい、衝撃的な荷重に弱い、重荷重に対しての性能は良くない、部分的な修理は出来ないため交換する必要がある。
6.機械設計における使い分け方法
滑り軸受は、クランク軸のように曲がっている軸に2つ割りで装着可能であり、高負荷が要求される水車や発電機、高速性能が必要なタービン機械などに使用される。一方転がり軸受は、多くの機械に使用されているが、寿命があるため、定期的に交換可能な場合に採用されている。
以上