リスクアセスメント 2020.6.20

1.はじめに
リスクアセスメントとは、「機械に内在するリスクの評価を系統的に実施する論理的手段」のことである。リスクアセスメントは大きく分けて以下のような項目で構成されている。
・機械の制限に関する仕様の指定
・危険源の同定
・リスクの見積もり
・リスクの評価
・保護方策の検討・実施とリスクの再評価
各項目を実施することがリスクアセスメントの手順である。順を追って説明する。
2.機械の制限に関する仕様の指定
機械の基本仕様(機械名称、設計寿命、製品質量等)、使用上の制限(使用目的、予見可能な誤使用)、点検間隔等を表にまとめる。
3. 危険源の同定
機械に関連するすべての危険源を同定し、その危険源による危険状態を同定する。さらに同定した結果を表でまとめる。
4. リスクの見積もり
同定された危険源・危険状態について、危害の程度、発生可能性などの観点から、個別にどの位のリスクがあるのかの見積りを行う。さらに見積もった結果を危険源・危険状態との対応がわかる表でまとめる。
5. リスクの評価
リスクの見積もりの結果をもとに、現場のリスクが適切なレベルであるかどうか、リスクを低減する必要があるかどうかを検討・決定し、対策の優先順位を決定する。結果はリスクの見積もり結果との対応がわかるように表でまとめる。
6.保護方策の検討・実施とリスクの再評価
リスクの評価結果を踏まえて、リスク低減が必要とされた項目について、具体的な保護方策を検討した上で実施する。また十分にリスク低減が図られたか、新たな危険が発生していないかを再度評価する。保護方策の実施結果と再評価の結果は、「リスクの評価」で作成した表に書き足し、まとめる。
7.まとめ
リスクアセスメントを実施することは機械を安全なものとするための保護方策を効果的に実施するための背景情報となっている。保護方策を実施しリスクが低減されてこそリスクアセスメントの実施が意味を持つことになる。リスク低減のための保護方策は大きく3つに分類することができ、機械包括安全指針ではとるべき保護方策の優先順位が以下のように示されている。
1:本質的安全方策
2:安全防護等
3:使用上の情報(残留リスク情報)の提供
これらを確実に実施し機械のリスク低減を図ることが重要である。
以上