キーワード 「生産システム・管理関連」2021.4.3

1.セル生産システム(CMS : Cellular Manufacturing System)
生産形態が多品種少量生産あるいは変種変量生産方式が進む中で、変動に対する適応性と作業効率の向上を目的としたセル生産の導入が進んでいる。セル生産方式は1人ないし数人の作業者が1つの製品を作り上げる自己完結型の高い生産システムである。その目的は作業効率のアップ、変動に対する適応力アップ、小ロット対応などである。セル生産方式の特徴は作業員が複数の作業をこなす多能工であることや作業者を中心とした生産システムであることも注目すべきことである。
2.変種変量生産システム(various kinds and various volumes product system)
高度成長期に発展した大量生産システムは、メーカー主導の生産方式である少品種大量生産であった。製品が普及して飽和状態になった社会では、市場が主導権を持った多品種少量生産が適している。
変種変量生産は市場動向にフレキシブルに対応するために、品種と物量の両方の変化に対応して生産を行うシステムである。1つの定まった生産システムだけでなく、複数の生産システムを活用し、技術・販売・生産などの部門での全体適量化の考え方が必要になる。
3.サービス生産システム
工業製品などの物財(有形物)を産出物とする生産システムに対して、無形物のサービスを産出物とする生産システムのことで、サービスから得られる価値と効用を生み出すためのものである。近年、新たに生み出された顧客サービスの形態として、
1.Webサイトからの製品購入システム
2.クラウトサービスなど
があるが、これらのサービスシステムを実現するための物財である製品を生産するための生産システムも含められる。
4.サプライチェーンマネジメント(SCM: Supply Chain Management)
原料調達から製造・物流・販売・流通までを含めた製品供給体制に関して連鎖的に統括管理を行い、製品販売体制を強化する管理手法のことである。供給側の立場に立った手法で、部門間で発生する障害を取り除くことでコストダウンを図り、クレームを未然に防止できる。
5.リスクマネージメント
リスクアセスメントにより、ハザード(危害の発生源)や損失を事前に明らかにしてリスクを把握・特定して、最小の費用で最小の損失となるように管理する経営管理手法のこと。把握・特定したリスクは、発生の頻度と影響の大きさから再評価して、リスクの種類ごとに対策が講じられる。
6.タレパンレーザー複合機
タレットパンチプレス(略してタレパン)とレーザー加工の機能を有した機械の事。アルミやステンレスといった板金に対して金属の金型を用いて打ち抜き・成形加工する。レーザー加工機はその名前の通り、レーザーによって板金を切断する。両方の機能を兼ね備えることで、工作する形や製品によって機械内部でタレパンとレーザーを使い分け、費用対効果の高い製品を作っていくことが可能。
メリット
穴あけや切断に加え、成形加工などの工程が集約されているため、工程数と工程間の仕掛かり削減により、製品製作のリードタイム短縮できる。小径穴加工や角穴加工などのレーザー加工の一部をパンチング加工に置き換えることで、レーザー加工専用機に比べランニングコストを抑えることができる。
デメリット
機能性が高い分、加工専用機に比べ導入コストが高い。複雑な形状の加工が可能な反面、動作プログラムを作成する手間を要する。導入する際には、加工されるモノの形状や加工工数、生産数等を考慮し、費用対効果を算出して検討する必要がある。
以上