キーワード 「現象 関連」2020.10.27

1.キャビテーション
液体の流れの中で圧力差により短時間に泡の発生と消滅が起きる物理現象である。空洞現象とも言われる。この現象は19世紀末に、高速船用のプロペラが予想された性能を発揮しなかったことから発見された。
流体機械や管内流れにおいて、流体の高速流動現象により、流れ場の局所圧力が液体の飽和蒸気圧より低下すると、キャビテーションが発生する。
キャビテーションは、振動や騒音を伴い性能低下を引き起こす。またキャビテーション損傷により、壊食を発生させることがある。一方ウォータジェット切断や超音波洗浄などでは、逆にキャビテーションの破壊力を利用している。
2.応力腐食割れ(SCC : Stress Corrosion Cracking)
腐食環境にさらされた金属に応力がはたらいている場合、腐食環境にない場合より低い応力で破壊が進行することを応力腐食割れという。例えばオーステナイト系ステンレス鋼は高温水中で応力腐食割れを起こすことがある。この発生原因は材質的要因(鋭敏化:溶接の熱影響によって結晶粒界にクロム欠乏層を生じ耐食性が劣化する現象)、応力要因(溶接残留応力の存在)、環境要因(溶存酸素の存在)の3要因が重複した場合である。したがって3要因のうち1つ以上を無くせば発生を防止することができる。
3.びびり振動(chattering vibration)
切削中に生ずる工作機械、被削材、工具系の振動のことである。このびびり振動が生じると加工精度は低下し、仕上げ面粗さは増大し、工具寿命は低下する。ときには被削材や工具がはずれ落ちて危険になる場合がある。びびり振動には、工作機械からくる強制振動と、切削過程や工作機械全体の系からくる自励振動とがある。
4.ストライベック曲線
ドイツの研究者であるトライベックが、ころがり軸受けの摩擦に関し、荷重、すべり速度および温度の関数として摩擦係数を測定し関係を導き出したもの。
以上