デライト設計 2020.5.18

1.はじめに
世の中が大きく変動する現代においては、単なるネット情報ではない正しい情報をいち早く入手し、種々の状況を勘案してデライトを創出することが重要である。このような時代に即した設計としてデライト設計が注目されている。デライト設計について述べる。
2.定義
デライトの定義は、琴線(きんせん)に触れる・わくわくするといった物が発する物理量(音、振動、形、性能、色コスト等)を、人の知覚量(煩い、大きい、丸い、暗い、高い、等)である感性指標に変換、さらに人の感じ方(魅力的、かっこいい、等)である魅力指標に対応付ける設計である。
3.他の分野との比較
デライト設計は機械設計分野では緒に就ついたばかりであるが、建築設計分野では昔から設計基準の重要な項目になっている。これは建築物が人の住むところ働くところであり、最初から人のデライト性(快適性)が設計の目的関数になっているからである。
機械設計分野でも同様の項目はあるが、いずれも温度、騒音レベル、色・形で済まされている。一方建築設計分野ではこれに加えて、明るさ、眩しさ、湿度、有効温度、空気清浄度、残響時間、反射率、吸収率、透過率等多岐にわたる設計仕様が使われている。
4.まとめ
機械分野においては、製品により長期開発、短期開発、少量生産、大量生産などいろいろな形態が存在するが、終わりなきコスト競争に巻き込まれないための設計手法が必要とされる。人々の感性に焦点をあてたデライトの思想を設計に取り入れる試みが今後増えていくと考える。
以上