キーワード 「技術伝承 関連」2020.10.4

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1.暗黙知と形式知

暗黙知とは経験的に使っている知識だが簡単に言葉で説明できない知識のことで、経験知と身体知の中に含まれている概念。マイケル・ポランニーが命名。経験知とも言う。暗黙知に対するのは、言葉で説明できる形式知である。

粉体処理装置を設計する場合の暗黙知(吉原技術士提唱)

詰まる、くっつく、摩耗する。

漏れる、流れる、飛んでゆく。

蓄熱、発火、粉塵爆発。

言葉で表現しているので形式知では、と思われるかもしれない。しかし粉体の特性を的確に短いフレーズで表しているので、新人であっても理解しやすく技術伝承に役立つ。ベテランであっても一つ一つの言葉が過去の体験、経験に紐付き、思い出すきっかけとなる。よって立派な暗黙知であり、粉体処理装置を適切に設計するための金言である。

2.ナレッジマネジメント(KM :Knowledge Management)

ビジネスの目的を達成するために、知的資産を共有し、効果的に活用するための「知の管理手法」である。組織活動の中で得た知識を一元管理し構成員相互の情報交換をしやすくする手法。言葉や文章で表現しにくいノウハウやスキル(暗黙知)も含まれる。最近では経験豊富なベテラン世代の退職から技術の伝承問題がクローズアップされている。経験不足による誤った判断などによるトラブルも発生しているため、伝承がスムーズに行えるように、知識の文書化などのナレッジマネジメントも行われている。

以上