ライフサイクル アセスメント 2020.5.12 

1.はじめに

 Life Cycle Assessment:LCAとは、ある製品が生産されてから廃棄されるまでの間に、環境に与える影響や負荷を評価する考え方、あるいは手法のことである。具体的な方法、手法について述べる。

2.方法

ある製品を産出する資源の採掘に始まり、素材の製造、製品の生産、輸送、販売、使用されて廃棄、再利用まで製品のライフサイクル全体を見渡し、資源消費量やエネルギー消費量、排出物質などを求める。

3.手法

3.1目的、評価範囲の設定

 システム環境と機能単位、評価する環境負荷を決め評価の目的を明らかにする段階。システム境界とは評価するプロセスとその範囲のことである。機能単位とは、評価する単位のことである。機能単位の設定では、例えば「車1台の生産」など製品単位だけでなく、「人一人を1km移動させること」などのサービス単位を設定することができる。

3.2インベントリ分析

 決定されたシステム境界内の製品のライフサイクルにおいてエネルギーや素材がどれだけ投入され、また排気ガスや廃棄物がどれだけ放出されたかを分析することである。

3.3影響評価

 二酸化炭素などの温室効果ガス、窒素酸化物などの大気汚染物質、油などの水質汚濁物質など様々な環境負荷を環境影響に換算(これを特性化という)することである。設定された目標と評価範囲の投入排出項目をみて適切に環境影響領域を選択することが必要である。

4.解釈

 前記1,2,3の各段階でLCA実行者とステークホルダーと話し合いが行われる。これが解釈である。各人のLCAを行うことの理解が深まり、より適切な意思決定が目指される。

以上

補足

 LCAとは製品やサービスの環境影響を評価する方法である。LCAでは製造、輸送、販売、使用、廃棄、再利用までの各段階での環境負荷を明らかにし、その改善策をステークホルダーと伴に議論し、検討する。また、代替製品や新製品の環境負荷を既存の製品と比較し、より環境負荷の少ない製品製造、サービス提供に向けた意思決定を行うためのツールである。また近年では、カーボンフットプリントなど「環境負荷の見える化」のための指標を計算するツールとしても用いられている。

以上