三次元CAD(Computer Aided Design) 2020.5.8

1.はじめに
二次元CADと比較しながら、三次元CAD(Computer Aided Design)の特徴と問題点を、それぞれ3つ挙げて述べる。
2.特徴
2-1:直感的に形状を把握することができる
二次元CADは、従来からある手書き製図の手法を、そのままコンピュータで支援する形式である。従って作図に関しては正面図 / 平面図 / 側面図で構成される「三角法」が基本である。これは、縦 / 横 / 奥行きという3軸のうち2軸を用いて、紙などの二次元上で立体を表現するため、図面から全体をイメージする際、閲覧者は頭の中で二次元から三次元へと変換しなければならない。よって、ある程度の熟練度が要求される。これに対して三次元CADは、コンピュータの利点を最大限に活かし仮想空間に3つの軸を用いた立体を描くことができるので、誰でも直感的に形状を把握できる。また製造部門では、形状がより具体的なイメージとして捉えることができるので加工方法の検討時間が短縮できるという利点もある。
2-2:曲線をとりいれたデサインが可能
近年増加する曲線を多く採り入れたデザインなど、従来の二次元図面では困難とされていた立体表現にも三次元CADは適したツールといえる。
2-3:機構、部品の干渉が容易に確認できる
従来の二次元図面ではできなかった、機構・部品の干渉などについて、三次元であれば容易に確認できる。つまり個別のパーツをアセンブリ化した際に出る不具合の早期発見にも実力を発揮することができる。
3.問題点
3-1:三次元データだけでは製品が作れない
三次元データを作成しても製造現場では図面がなければ製品を作れない。言い換えれば、三次元
データだけでは情報が不十分で、二次元図面も同時に作らなければならないので手間である。
3-2:操作の習熟に時間がかかる
長年使われていた二次元CADに比べ、三次元CADは、コマンド等の種類が多く、操作を習熟するまでに時間がかかる。
3-3:導入コストが高い
専門家が使うツールという事情もあり、CADソフトは汎用的なソフトに比べて一般的に高い
以上
補足
その他の利点
・設計・製造・解析などで同じ3Dデータを使用できる。例えば、CAEとの連携によって、有限要素法解析、キネマティク解析、流体解析、熱解析、交差解析などによる仮想実験が可能である。また、3Dプリンターが多く開発され、データモデルから、これらの装置への入力データが作成できるため、バーチャルな評価手段に加えて、実モデルによる確認も容易である。
以上