設計検証・設計の妥当性確認 2020.5.2

1.はじめに

「ISO9001  7.3設計開発プロセス」においては、設計品質確保にため、「設計検証」に加え「設計の妥当性確認」を実施することと述べられている。それぞれの違いについて述べる。

2.設計検証

 設計検証とは、客観的証拠を提示することによって、設計に与えられた規定要求事項を満足していることを確認するものである。すなわち、基準に合った結果かどうかを確認することである。設計・開発からのアウトプットが、設計・開発へのインプットとして与えられている要求事項を満たしていることを確認にするために実施される。

3.設計の妥当性確認

 設計の妥当性確認とは、客観的証拠を提示することによって、特定の意図された用途の適用に関する要求事項が満足していることを確認することである。すなわち、うまく機能するかどうかを確認することである。

4.それぞれの違い

 両者が、伴に「確認する」という行為であるが、「検証」はある基準に合っているか否かを問題にし、「設計の妥当性確認」は、そのような基準に関係なく、製品が実際に用途に合っているかどうかを問題にしている。

 例として試作品の作成を考えると、作成された試作品の寸法や形状、特性を測って、仕様書の規格と合っているかどうかを確認するのは「検証」である。一方、その試作品を顧客の使用条件でテストして確認するのは、「設計の妥当性確認」である。

A:顧客の要望

B:設計のインプット

C:設計のアウトプット

D:製品、

とした場合、A→B→C→Dの順に設計・開発が進む。設計検証は、BとCとの対比をする行為であり、設計の妥当性確認は、AとDとの対比をする行為である。

以上